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第3回: 社長、まずは「紙とハンコ」をなくしませんか? – 業務効率化の第一歩

  • 執筆者の写真: 樋口 理一
    樋口 理一
  • 11 時間前
  • 読了時間: 6分

オフィスを見渡してみてください。紙だらけではありませんか?


机の上に積み上げられた書類。キャビネットにびっしり並んだファイル。承認待ちの稟議書。押印待ちの契約書。

多くの中小企業のオフィスは、今も「紙とハンコ」に囲まれています。

「昔からこのやり方だし、特に困っていない」と思うかもしれません。でも本当にそうでしょうか?

書類を探すのに時間がかかる。出張中の社長の承認待ちで仕事が止まる。取引先に契約書を郵送して、返送を待つ。こんな「当たり前」が、実は大きな機会損失を生んでいるのです。

前回までで、DXの必要性についてお伝えしてきました。今回は、最も身近で、効果が実感しやすい「紙とハンコをなくす」という、DXの第一歩について具体的にお話しします。


日本企業が抱える「紙とハンコ問題」


日本は先進国の中でも、特に「紙文化」「ハンコ文化」が根強い国です。

総務省の調査(2023年)によると、日本企業の約70%がいまだに紙ベースの業務プロセスを主としているというデータがあります。これは欧米諸国の2倍以上の数字です。

特に問題なのが「ハンコ」です。

コロナ禍で多くの企業がテレワークを導入しようとしたとき、最大の障壁となったのが何だったかご存知ですか?

日本生産性本部の調査では、テレワークができない理由の第1位が「押印のために出社が必要」(43.2%)でした。

つまり、ハンコのためだけに出社する。これが日本の企業の現実だったのです。


「紙とハンコ」がもたらす5つの損失


では、紙とハンコは具体的にどんな損失を生んでいるのでしょうか。


損失①:時間のロス

ある調査によると、オフィスワーカーは1日平均30分を「書類探し」に費やしているというデータがあります。年間にすると約120時間、つまり15営業日分です。

社員10人の会社なら、年間150日分の労働時間が「探し物」で消えている計算になります。


損失②:スピードの遅さ

契約書を郵送して、先方の押印を待って、返送される。このプロセスだけで1週間から10日かかります。

一方、電子契約なら数時間、早ければ数分で完了します。ビジネスのスピードが10倍違うのです。


損失③:コストの増大

紙代、印刷代、郵送費、保管スペース、キャビネット代...。これらを合計すると、年間数十万円から、規模によっては数百万円になります。


損失④:リスクの増大

紙の書類は、紛失リスク、火災や水害での消失リスク、情報漏洩リスクがあります。また、法律で定められた保管期間中、物理的なスペースを占有し続けます。


損失⑤:働き方の制約

紙とハンコがある限り、完全なテレワークは不可能です。優秀な人材が「在宅勤務ができないなら」と、入社を断念するケースもあります。


事例:電子契約で変わった法律事務所の働き方


都内のある中小法律事務所(弁護士3名、事務員5名)の事例をご紹介します。

この事務所は、顧問契約や委任契約を月に平均30件締結していました。


従来は:

  1. 契約書を2部印刷

  2. 製本して押印

  3. 郵送

  4. 先方の押印後、返送を待つ

  5. 1部をファイリング

というプロセスで、平均7〜10日かかっていました。


電子契約サービス(クラウドサイン)を導入した結果:


  • 契約締結までの時間が平均2日に短縮

  • 郵送費・印紙代が年間約40万円削減

  • 契約書の検索がキーワードで即座に可能に

  • テレワーク中の弁護士も、どこからでも契約締結可能に


事務員の一人は「もう紙の契約書には戻れません」と笑顔で語っています。


具体的な解決策:3つのステップ


では、どうやって「紙とハンコ」をなくしていけばいいのでしょうか。3つのステップで考えましょう。

ステップ1:クラウドストレージの導入(まずはここから)

最も簡単で効果的なのが、クラウドストレージの導入です。

Google Drive、Microsoft OneDrive、Dropbox Businessなどのサービスを使えば:


  • 書類をスキャンしてクラウドに保存

  • 社員全員がどこからでもアクセス可能

  • バージョン管理も自動

  • 検索も簡単


月額数千円から始められます。


今日からできること:

  • 過去1年分の重要書類だけ、まずスキャンしてみる

  • 「新しく作る書類は、必ずクラウドに保存する」というルールを作る


ステップ2:電子契約・電子署名の導入


契約書や合意書に押印が必要な業務には、電子契約サービスが有効です。


主なサービス:

  • クラウドサイン(弁護士ドットコム)

  • DocuSign

  • Adobe Sign


メリット:

  • 印紙税が不要(年間数万〜数十万円の削減)

  • 郵送費・時間の削減

  • 法的効力も従来の契約書と同等


注意点:

  • 取引先が電子契約に対応しているか事前確認

  • 社内ルールを整備してから導入


ステップ3:社内承認フローのデジタル化


稟議書、経費精算、休暇申請...これらの社内承認プロセスをデジタル化します。


ワークフローシステム:

  • kintone

  • Salesforce

  • Microsoft Power Automate

  • Google Workspace(承認機能)


メリット:

  • 承認者が外出中でもスマホで承認可能

  • 承認状況が可視化される

  • 履歴が自動で残る


「でも、うちの社員がついてこれるか心配」という方へ


「デジタル化したいけど、年配の社員が使えるか不安」

これは多くの経営者が抱える悩みです。でも、実は心配しすぎていることが多いのです。

東京都内の建設会社(社員18名、平均年齢52歳)では、全社的にペーパーレス化を進めました。


最初は「無理だ」「前の方が楽だった」という声もありましたが、3ヶ月後には:

  • 60代の現場監督が、タブレットで写真撮影→即座にクラウド保存を習得

  • 「書類探しがなくなって楽になった」という声が大半に

  • 若手社員が「この会社、ちゃんと進化してる」と再評価


社長は「最初の2週間だけ丁寧に教えたら、あとは勝手に慣れていった」と語ります。

大切なのは:

  • 一気に全部変えようとしない

  • まず1つの業務から始める

  • 困った時にすぐ相談できる体制を作る

これだけです。


IT導入補助金を活用しよう

「コストが心配」という方に朗報です。

国は中小企業のDXを支援するため、IT導入補助金を用意しています。


2026年度の IT導入補助金では:

  • クラウドサービス利用費の最大2/3を補助

  • 最大450万円まで補助対象

  • 電子契約、クラウドストレージ、ワークフローシステムなども対象


私たちベーシックシステムは、IT導入補助金の申請サポートも行っていますので、ぜひご相談ください。


今日からできること:「紙探しタイム」を測ってみる


では、具体的に何から始めればいいのでしょうか。

まず今日やっていただきたいのは、「紙探しタイム」を測ってみることです。

1週間、社員に「書類を探すのに何分かかったか」をメモしてもらってください。おそらく、予想以上の時間が「探し物」に消えていることに驚くはずです。

その数字を見れば、「これは何とかしないと」という気持ちになります。そこがスタートです。


まとめ:「紙とハンコ」をなくすことが、DXの第一歩


  • 日本企業の70%が未だに紙ベースの業務プロセス

  • 紙とハンコは、時間・コスト・スピード・リスクの面で大きな損失を生んでいる

  • クラウドストレージ、電子契約、ワークフローシステムで解決できる

  • 年配の社員も、適切なサポートがあれば必ず慣れる

  • IT導入補助金を活用すれば、コスト負担も軽減できる

  • まずは「紙探しタイム」を測ってみることから始めよう


紙とハンコをなくすことは、単なる業務効率化ではありません。社員の働き方を変え、ビジネスのスピードを変え、会社の未来を変える第一歩なのです。

次回は、「社員5人でもできる!クラウドツール活用のススメ」として、具体的なツールの選び方と使い方をご紹介します。


▼ こんなお悩みありませんか? 「何から始めればいいかわからない」「補助金の申請をサポートしてほしい」そんな時は、ぜひお気軽にご相談ください。


株式会社ベーシックシステム

東京23区の中小企業のDXを、親身にサポートします。

📞 0120-566-666(平日 9:00〜18:00)

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