第8回: 生成AI、中小企業はどう活用すべきか? – ChatGPTを業務に取り入れる
- 樋口 理一
- 2月3日
- 読了時間: 7分
「AI」と聞くだけで、難しそうと思っていませんか?

「生成AI」「ChatGPT」「人工知能」...
最近、こういった言葉をニュースで聞かない日はありません。でも、正直なところ「何だかよくわからないし、うちの会社には関係ない」と思っていませんか?
実は、生成AIは、中小企業の業務効率を劇的に改善できるツールです。しかも、特別な知識は不要。スマホが使えれば、誰でも活用できます。
前回までで、Webとデジタルマーケティングの重要性についてお伝えしました。今回は、今最も注目されている「生成AI」を、中小企業がどう活用すべきか、具体的にお話しします。
生成AIって、結局何ができるの?

まず、「生成AI」とは何かを簡単に説明します。
生成AI = 人間のように文章を書いたり、画像を作ったりできるAI
代表的なのがChatGPT(チャットジーピーティー)です。質問を入力すると、まるで人間が書いたような自然な文章で答えてくれます。
具体的にできること:
文章の作成・要約・翻訳
アイデア出し・ブレインストーミング
メールや提案書の下書き
データの分析と説明
プログラムコードの生成
画像の生成(別のAIツール)
「これ、どう書けばいいかな?」と悩む時間が、大幅に短縮されるのです。
中小企業での具体的な活用例
では、実際にどんな場面で使えるのでしょうか。業務別に見てみましょう。
活用例①:営業・提案書作成
従来: 顧客ごとに提案書を一から作成 → 1件あたり2〜3時間
AI活用後: 「〇〇業界の□□社向けに、当社の△△サービスを提案する提案書の構成案を作って」とChatGPTに指示 → 10分で骨子が完成 → 内容を調整して完成
効果: 提案書作成時間が70%削減。空いた時間で、顧客との面談回数を増やせる。
活用例②:メール対応
従来: 問い合わせメールへの返信を一つ一つ考えて作成
AI活用後: 「このメールに対して、丁寧に返信を書いて」と指示 → 下書きが数秒で完成 → 確認して送信
効果: メール作成時間が50%削減。しかも、丁寧で読みやすい文章に。
活用例③:社内資料の作成
従来: 会議の議事録、マニュアル、社内報などの作成に時間がかかる
AI活用後:
会議の録音データをテキスト化 → ChatGPTで要約
「〇〇の手順書を作成して」と指示 → ベースが完成
「社員向けに、△△についてわかりやすく説明する文章を書いて」
効果: 資料作成時間が大幅短縮。品質も向上。
活用例④:採用活動
従来: 求人票の文章を考えるのに苦労
AI活用後: 「当社の魅力を伝える求人票を作成して」と、会社情報を入力して指示 → 魅力的な求人票の原案が完成
効果: 応募者の質と量が向上。
活用例⑤:翻訳・多言語対応
従来: 海外取引先とのメールは、翻訳サービスを使っても不自然
AI活用後: ChatGPTに「この内容を、ビジネスメールとして自然な英語に翻訳して」
効果: 正確で自然な翻訳が数秒で完成。海外取引のハードルが下がる。
実例:印刷会社が生成AIで業務効率30%向上
東京都内のある印刷会社(社員8名)の事例をご紹介します。
この会社では、顧客からの問い合わせ対応、見積書作成、デザイン提案などに多くの時間を取られていました。
そこで、ChatGPTを業務に導入しました。
活用方法:
問い合わせメールの下書き作成
見積書の説明文の作成
デザインのコンセプト案出し
SNS投稿文の作成
社内マニュアルの更新
3ヶ月後の効果:
事務作業時間が30%削減
空いた時間で、営業活動を強化 → 新規顧客が月平均2社増加
社員から「考える時間が増えて、仕事が楽しくなった」という声
社長は「最初は『AIなんて使えるかな』と不安だったけど、スマホでLINEが使えるなら使える。もっと早く導入すればよかった」と語ります。
生成AIを使う時の注意点
非常に便利な生成AIですが、注意すべき点もあります。

注意点①:機密情報を入力しない
ChatGPTに入力した内容は、学習データとして使われる可能性があります。
絶対に入力してはいけないもの:
顧客の個人情報
社外秘の技術情報
取引先の機密情報
自社の財務情報
対策:
有料版のChatGPT(情報が学習されない設定が可能)を使う
社内ルールを作る(「機密情報は入力禁止」など)
注意点②:内容を必ず確認する
AIが生成した文章は、時々間違っていることがあります(これを「ハルシネーション」と呼びます)。
対策:
AIの出力をそのまま使わず、必ず人間が確認・修正する
重要な数字や事実は、別途確認する
注意点③:著作権に注意
AIが生成した文章や画像の著作権は、グレーゾーンです。
対策:
AIの出力をそのまま使わず、必ず加工・編集する
外部に公開するコンテンツは特に注意
注意点④:依存しすぎない
AIは便利ですが、万能ではありません。人間の判断、創造性、感情は、AIには代替できません。
対策:
AIは「アシスタント」として使う
最終判断は必ず人間が行う
ChatGPTの始め方:5つのステップ
では、実際にどうやって始めればいいのでしょうか。
ステップ1:無料版で試してみる(今日できる)
ChatGPTの無料版は、メールアドレスがあれば誰でも使えます。
https://chat.openai.com/ にアクセス
「Sign up」から登録
試しに「東京の美味しいランチのお店を教えて」と入力してみる
これだけです。
ステップ2:仕事で使ってみる(明日できる)
簡単な業務から試してみましょう。
「お礼のメールを書いて」
「この長い文章を要約して」
「〇〇のアイデアを5つ出して」
ステップ3:社内ルールを作る(1週間以内)
使い始めて便利だと感じたら、社内ルールを整備しましょう。
機密情報は入力しない
出力内容は必ず確認する
どんな用途で使ったか記録する
ステップ4:有料版を検討する(1ヶ月以内)
本格的に使うなら、有料版(ChatGPT Plus:月額$20≒3,000円)がおすすめ。
メリット:
より高性能なモデルが使える
応答速度が速い
混雑時でも使える
画像生成機能も使える
ステップ5:社員教育を実施(3ヶ月以内)
社員全員が使えるように、勉強会を開きましょう。
基本的な使い方
便利な活用例
注意点の共有
他にもある!便利な生成AIツール
ChatGPT以外にも、便利なAIツールがたくさんあります。
文章作成系:
Claude (Anthropic社):日本語も得意で、長文の処理に強い
Gemini (Google):Google検索と連携
画像生成系:
Midjourney:高品質な画像生成
Stable Diffusion:無料で使える画像生成AI
DALL-E 3:ChatGPT Plusに統合されている
音声・動画系:
Whisper:音声をテキスト化
ElevenLabs:自然な音声合成
業務特化型:
Notion AI:Notion内で使えるAI
Microsoft Copilot:Microsoft 365に統合されたAI
「AIに仕事を奪われる」は本当?

よく「AIに仕事を奪われるのでは?」という不安の声を聞きます。
確かに、AIによって変わる仕事はあります。でも、「奪われる」のではなく、**「仕事の質が変わる」**のです。
例えば:
単純な文書作成 → AIがサポート → 人間は内容のチェックと創造的な部分に集中
データ入力 → AIが自動化 → 人間はデータ分析と戦略立案に集中
つまり、AIを使いこなせる人と会社が、競争力を持つ時代になるのです。
だからこそ、今のうちに慣れておくことが重要です。
今日からできること:ChatGPTで遊んでみる
難しく考える必要はありません。まずは、遊び感覚で試してみましょう。
試してほしい質問:
「〇〇業界の最新トレンドを教えて」
「今日のランチ、何食べればいい?」
「部下を励ますメッセージを書いて」
「5歳児にわかるように、〇〇を説明して」
使っているうちに、「これは仕事で使えるな」というアイデアが浮かんでくるはずです。
まとめ:AIは敵ではなく、最強のアシスタント
生成AIは、文章作成・要約・翻訳・アイデア出しなど幅広く活用できる
印刷会社が業務効率30%向上、新規顧客獲得にも成功
注意点:機密情報を入力しない、内容を必ず確認、著作権に注意
まずは無料版で試してみる → 社内ルール作成 → 有料版検討 → 社員教育
AIに仕事を奪われるのではなく、AIを使いこなす人が勝つ時代
AIは、敵ではありません。24時間365日働いてくれる、優秀なアシスタントです。
恐れずに、まずは触ってみてください。きっと、「これは便利だ!」と実感できるはずです。
次回は、「社員が辞めない会社の秘密 – DXと働き方改革の関係」として、人材定着とDXの関係についてお伝えします。
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